2021年1月16日

掛川城:木造再建天守と現存二ノ丸御殿

 掛川城:木造再建天守と現存二ノ丸御殿



掛川城は、静岡県掛川市にある城郭です。

掛川駅から500メートルほどのところにお城の入口があります。お城の周りは様々な観光施設が建ち並んでいます。美術館や茶室、移築した武家屋敷、明治時代に建てられたレンガ造りの家屋などです。お城の建物としては、再建された天守、現存している二ノ丸御殿などがあります。

この城のちょうど中央部分、二ノ丸と三ノ丸の境目のあたりを道路が横切っていて城域は分断されてしまっています。そのため、三ノ丸から大手門にかけての領域は、城の領域ではないような印象になってしまっています。二ノ丸、天守側もにかけても、道路があるため本丸へ向かう急な階段がつくられています。建物の配置が無理矢理な感じは二ノ丸御殿にも及んでいて、玄関先の空地が狭くなっていて立派な玄関が引き立っていません。天守と二ノ丸御殿があることでお城らしさは感じられるのですが、お城全体がどういう縄張りだったのかは想像しにくくなっています。


木造再建天守

この天守は1993年に木造で再建されました。3層4階の天守を木造で再建するというのは画期的なことでした。というのは、現在の建築基準法はこの規模の木造を認めていません。したがって、特別な努力があったと思われます。オリジナルの天守の外観を確認できるものはなく、古い図面や高知城の天守が参照され現在の姿が選ばれたようです。




本丸エリアに向かう階段を上り、重厚な城門をくぐると入場券の販売所があり、正面に本丸の空地が見えます。本丸の北側に天守のある小高い丘があり、土塀でガードされた階段を上って天守に向かいます。天守のあるエリアは、天守丸と呼ばれた独立した空間だったようです。

天守丸の東側には、脇曲輪という部分と独立した内堀があったようです。現在は、そのどちらも失われてしまっており、天守丸の東側にある二ノ丸へ向かう狭い通路に変化してしまっています。




内部は、玄関から続く通路を入ると階段を数段上がった天井の高い1階部分に至ります。そこは、展示施設になっていて、甲冑、兜、刀、武器などが展示されています。2階部分は広い一室で天守閣内部の広さを感じます。あまり展示物はなく自由に動き回れます。階段の踊り場のような3階を通過して4階は展望室です。城主はこの位置から掛川の町を一望したことでしょう。とてもよい見晴らしです。

木造再建天守は他にもあるのでしょうか。また、オリジナルとは何が違うのでしょうか。こういう疑問に関してもう少し知りたい場合は、ここをクリックして見てください。


現存二ノ丸御殿

二ノ丸には現在、、1861年に建てられた二ノ丸御殿と、二ノ丸美術館、二ノ丸茶室があります。二ノ丸の庭に立ち西側を見上げると天守を見ることができます。城主はこの庭から天守の雄壮を眺めていたのでしょう。




この城のように(明治時代直前とはいえ)江戸時代につくられた御殿が現存している例はほとんどありません。ですから、とても貴重で重要文化財に指定されています。

内部は、西側が表の空間で、大広間や城主の書院、納戸などがあります。一方、東側は城主の日々の暮らしをサポートする裏方のスペースになっています。台所、家来たちの執務室、倉庫などです。一部の空間は失われてしまっていて、その全容はうかがえません。開放感のある西側に比べて、東側は窓が小さく、部屋の造りも裏方然としていて、薄暗く感じます。




施設の概要

掛川城

開場時間 9:00~17:00
入場料 410円(大人1人):小中学生は150円
年中無休 


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