2020年9月6日

諏訪家屋敷:茅葺き屋根がまぶしい大庄屋の住まい

 諏訪家屋敷:茅葺き屋根がまぶしい大庄屋の住まい


諏訪家屋敷は、滋賀県守山市に現存する江戸時代に建てられたの庄屋の屋敷です。この屋敷は、武士を出迎える目的でつくられた書院を併設した大規模なものです。屋敷の奥には広い日本庭園や、茶室まであり、さらに、庭の脇まで水路がつながっていて、収穫したした米を敷地内にある倉に運び込むための水門もありました。全国を探しても、これほど大規模な農家住宅はもはやほとんど現存していないと思います。


全体図

この屋敷は、大きな寺院の裏手に位置しています。広大な敷地がそのまま残っていますが、現存する建物は母屋、書院、茶室、倉などです。道路側に広い駐車スペースがあり、その正面に茅葺きの屋根を葺き直したばかりの母屋が見えます。

道路から少し入ったところにある表門から十数メートル歩くと右手に大きな玄関があり、その奥が書院になっています。ここは支配者層の役人をもてなす空間のようです。この玄関は、特別な時にだけ使われたようです。

さらに奥に土間敷きの大空間の台所があります。その出入口が実質的な玄関だったようです。観光客の受付もここにあります。


この大空間の土間に置かれていた備品は取り払われて、展示スペースになっています。そして、土間の空間に面して小上がりがあり、奥に入っていけるようになっています。奥は畳敷きの部屋が続いています。

そのさらに先は、書院につながっていて、書院からは、日本庭園が眺められるようになっています。

庭園は回遊式になっていて池のまわりを散策できる仕掛けになっています。水路に面して水門があり、水路の水位が高いときには庭の中にまで船が入れる仕掛けになっています。さらに庭の一角に、どこかの寺から移築された茶室があります。


庭側の外観

全国を探せば、江戸時代の農家の屋敷で比較的大きなものも現存している例はあると思います。とはいえ、庭園や茶室まで持つ農家住宅は珍しいと思います。パンフレットによれば、この屋敷の住人の先祖は武士だったという言い伝えもあるようです。そういう話が出てくるのも、この屋敷が農家住宅らしからぬ贅沢な造りになっているからでしょう。


施設の情報

大庄屋諏訪家屋敷

休館日:火曜日、祝日の翌日、12月29日から1月3日まで
入場料:大人300円、小・中学生150円



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