2020年9月1日

吉備津神社:奇景・400メートル続く廻廊

吉備津神社:奇景・400メートル続く廻廊

廻廊

「吉備津(きびつ)神社」は、岡山県岡山市にある神社です。その起源は古く、「日本書紀」が書かれたころまで遡るようです。問題の廻廊は本殿の奥にありますので、参拝の順に説明を進めます。

入口からすぐに急な階段になっていて、その両側が無数の提灯で囲われています。上りきったところは拝殿になっていてその奥が本殿です。

本殿は正面が狭いのですが、向かって左手が広場になっていて、そこから側面を見ることができます。この側面の外観は、巨大な千鳥破風を2つ並べた屋根が組み合わさったいて、この造りは他では見たことがありません。


本殿

足元も漆喰で覆われていて、これは形状から「亀腹(かめばら)」と言うそうです。これらが本殿の特異な印象を強めます。内部も、中央に行くにしたがって床と天井が高くなるという珍しいレイアウトになっているそうですが、参拝しただけでは分かりません。この本殿と拝殿は、1425年に建てられたもので、国宝です。

本殿の右手から奥に進むと廻廊に入ります。廻廊は、なだらかな傾斜を下りながら、延々400メートル一直線に伸びています。これは途中いくつかある社(やしろ)へ向か時、雨にぬれずに参拝ができるようにつくったのでしょうか?1580年ごろ造営されたもので、県指定重要文化財です。


御釜殿の内部

廻廊を下っていくと、途中に「御釡殿(おかまでん)」という建物があります。この建物の中では、驚いたことに、着物姿の神職がご飯を炊いています。ご飯を炊くのが神事で、占いに関係があるとのことです。なんでも、朝廷が遣わした将軍が異国の鬼神を退治したところ、その将軍の夢枕に鬼神が現れ、このご飯を炊いての占いを行うことを要求したようです。

この話は、昔のことでそういう伝説的な表現になっていますが、百済から連れてきた皇子をこの地に幽閉していたことに関係があるのだと思います。たぶんその皇子が反乱を起こしたため成敗してしまったのでしょう。そう書かれた資料を見つけたわけではありませんが、鬼神とは幽閉された皇子ではないかと思います。

将軍が鎮圧した皇子の呪いを緩和する目的でこの神社がつくられたのでしょう(創建理由は少し変えて後世に伝えられたようですが)

そこまでしたのに呪いと思われる現象は消えなかったので、それを静めるための行事がさらに行われることになったというのがこの神事の起こりということです。これが鳴釜(なるかま)神事と言われるものです。今ある御釡殿は1606年に建てられたもので、重要文化財です。


施設の情報

吉備津神社

入場料:無料
年中無休




0 件のコメント:

コメントを投稿